手を打つ

てをうつ

対策を講じる・交渉をまとめる

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意味・由来

「手を打つ」(てをうつ)

【意味】

「手を打つ」には複数の意味がありますが、主に三つの用法があります。第一に「対策を講じる」「手段を実行する」という意味で、「事故防止の手を打つ」のように使います。第二に「交渉で合意に達する」「妥協点を見つけて取り決める」という意味で、「この条件で手を打とう」のように使います。第三に文字通り「手をぱんと打ち合わせる」動作そのものを指す場合もあります。ビジネスや日常会話で非常によく使われる表現で、特に「対策を打つ」と「合意する」の二つの意味は頻度が高く、文脈によって意味を判断する必要があります。

【由来・語源】

「手を打つ」の由来は複数の説があります。「対策を講じる」の意味は、囲碁や将棋で「手を打つ」(石や駒を動かす)ことに由来するとされています。盤上で一手を打つことが局面を変える行動であることから、問題に対して行動を起こすという意味に転じました。「合意する」の意味は、商取引において売り手と買い手が交渉成立時に手を打ち合わせる(拍手する)慣習に由来します。市場での競りや商談で、価格が折り合ったときに「手を打つ」(手を叩き合う)動作が合意の証だったのです。この商習慣は現代の株式取引所の手振りシグナルにも名残が見られます。

【使い方のポイント】

対策の意味では「早めに手を打っておく」「先手を打つ」「手を打たなければ大変なことになる」のように使います。緊急性や先見性を表す場面に適しています。合意の意味では「この金額で手を打ちましょう」「互いに譲歩して手を打った」のように、交渉の場面で使います。この場合、完全な満足ではなく、ある程度の妥協を含む合意というニュアンスがあります。二つの意味は文脈で区別できることがほとんどですが、念のため「対策の手を打つ」「条件で手を打つ」のように補足語を添えると明確になります。

【類似表現との違い】

「手段を講じる」は「対策を打つ」の意味のフォーマル版です。「手を打つ」のほうが行動的で迅速なニュアンスがあります。「折り合いをつける」は「合意する」の意味に近く、相互の譲歩による解決を表します。「手を打つ」のほうが決断の瞬間に焦点があります。「先手を打つ」は相手より先に行動することで、「手を打つ」の一種です。「対処する」は広く問題に取り組むことで、「手を打つ」ほどの具体的な行動のイメージはありません。「妥協する」は合意の意味の「手を打つ」に近いですが、ネガティブなニュアンスがやや強い表現です。

【豆知識】

将棋や囲碁における「手を打つ」は、一手ごとに局面が変化する戦略的な行為です。プロ棋士は一手を打つために長い時間をかけて考えることがあり、この「手を打つ」までの思考過程こそが勝敗を分けるとされています。ビジネスにおける「先手を打つ」という考え方は、経営戦略論でも重視されており、「プロアクティブ経営」(先手経営)として研究されています。問題が顕在化してから対処する「リアクティブ」な姿勢よりも、事前に「手を打つ」プロアクティブな姿勢のほうが、長期的にはコストが低く成果が高いことが多くの研究で示されています。日本語の「先手を打つ」「後手に回る」は、まさにこの経営哲学を端的に表す表現です。

使い方・例文

ビジネス

クレームが広がる前に早めに手を打つ必要がある。

日常会話

このへんで手を打って、お互い譲り合おうよ。

作文

被害が拡大する前に適切な手を打ったことが、早期解決につながった。

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クイズ

「手を打つ」の意味として正しいのは?

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