狸寝入り

たぬきねいり

眠ったふりをすること。

🐱 動物

意味・由来

「狸寝入り」(たぬきねいり)

【意味】

「狸寝入り」とは、実際には起きているのに眠ったふりをすることです。都合の悪い状況を避けるため、あるいは相手を油断させるために、わざと寝ているように見せかける行為を指します。

【由来・語源】

狸は日本の民話で「化ける」動物として知られ、さまざまなものに化けるとされています。その中でも、猟師に見つかったとき死んだふり(寝たふり)をして逃げるという話が広く伝わっており、これが「狸寝入り」の由来とされています。実際の狸が寝たふりをするかどうかは定かではありませんが、アメリカのオポッサムが天敵に遭遇すると「擬死」(死んだふり)をすることは有名です。日本の狸の民話には、こうした動物の防衛行動の観察が反映されているのかもしれません。

【使い方のポイント】

都合の悪い話を振られて寝たふりをする場面、起こされたくないときに眠ったふりをする場面で使います。「狸寝入りしてるのバレてるよ」というように、相手の演技を見破ったことを告げるときによく使われます。軽いニュアンスの表現で、深刻な場面よりも、日常のユーモラスな場面に向いています。

【例文】

《ビジネスシーン》

会議中に面倒な案件の担当者を決めようとしたら、急に目を閉じて狸寝入りを始めた社員がいた。全員気づいているのに、当の本人は気づかれていないと思っているのだから滑稽だ。

《日常会話》

夫にゴミ出しを頼もうとしたら、急にいびきをかき始めた。どう見ても狸寝入りなんだけど、演技力が低すぎて笑える。

《作文》

子どもの「狸寝入り」は微笑ましいが、大人が社会的責任から逃げるために「狸寝入り」をするのは問題である。見て見ぬふりをする態度は、結局のところ事態を悪化させるだけだ。

【類似表現との違い】

「寝たふり」は直接的な言い換えで、比喩を含みません。「知らんぷり」は知っているのに知らないふりをすることで、寝る演技に限定されません。「見て見ぬふり」は問題に気づいていながら対処しないことで、より深刻な場面で使われます。「狸寝入り」にはどこかユーモラスで愛嬌のある響きがあり、深刻な非難には向きません。

【豆知識】

日本の狸(ニホンタヌキ)は生物学的にはイヌ科の動物で、犬や狐の仲間です。世界的に見るとタヌキは東アジアにしか生息しない珍しい動物であり、ヨーロッパの人がタヌキを見ると「アライグマ?」「アナグマ?」と戸惑うことが多いそうです。信楽焼の狸の置物は商売繁盛の縁起物として有名で、「八相縁起」と呼ばれる8つの縁起の良い特徴(大きな笠、大きな目、太い尻尾など)が表現されています。なお、「化け狸」の民話は主に四国・中国地方に多く伝わっています。

使い方・例文

ビジネス

今回のプロジェクトは「狸寝入り」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。

日常会話

「狸寝入り」って昔の人はうまいこと言ったよね。

作文

「狸寝入り」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。

クイズ

「狸寝入り」の意味として正しいものは?

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