舌を出す

したをだす

陰で人をばかにする

👋 体

意味・由来

「舌を出す」(したをだす)

【意味】

「舌を出す」とは、表面では従順に見せかけて、裏で人をばかにしたり嘲笑したりすることを表す慣用句です。相手の前では素直なふりをしながら、背を向けた途端に舌を出して嘲る二面性のある態度を描写します。「あっかんべー」と舌を出す子どものような嘲りの仕草が語源で、大人が表面上の礼儀と裏の本音を使い分ける姿を批判する表現です。裏表のある態度、不誠実な人間性への批判として使われます。

【由来・語源】

舌を出す仕草は、世界的に嘲笑や反抗のジェスチャーとして認識されています。日本では「あっかんべー」(目の下を引っ張りながら舌を出す)が子どもの定番の嘲り表現であり、この仕草が「陰で人をばかにする」という比喩に転じました。「舌を出す」が慣用句として定着した背景には、日本社会における「建前と本音」の文化があります。表面では礼儀正しく振る舞いながら、内心では全く異なることを考えている二面性を、「舌を出す」という具体的な動作で視覚化した表現です。

【使い方のポイント】

「陰で舌を出す」「裏では舌を出している」のように、表と裏の対比を示す文脈で使います。「上司の前では素直だが、いなくなると舌を出している」のように、二面性を批判する場面が典型的です。注意点として、この表現は相手の不誠実さを指摘するかなり強い批判であるため、確たる証拠なしに使うと中傷になりかねません。また、「思わず舌を出した」のように自分の行為として使うことは稀で、基本的に他人の行為を批判する表現です。

【類似表現との違い】

「腹が黒い」は心の中に悪意を持っていることで、行為としての二面性よりも性格的な悪意に焦点があります。「二枚舌を使う」は相手によって言うことを変えること(嘘をつくこと)で、「舌を出す」の嘲笑とは意味が異なります。「面従腹背」は表面では従いながら内心では反抗することで、「舌を出す」の文語的・熟語的な表現です。「猫をかぶる」は本性を隠しておとなしく振る舞うことで、「舌を出す」の嘲りのニュアンスはありません。

【豆知識】

舌を出すジェスチャーの意味は文化によって大きく異なります。日本では嘲笑や照れ隠しの意味が強いですが、チベットでは敬意を示す挨拶として舌を出します。これは9世紀のチベット王ラン・ダルマが黒い舌を持っていたとされ、「自分はその王の生まれ変わりではない」ことを示すために舌を見せる習慣が生まれたと言われています。マオリ族のハカでも舌を出す動作がありますが、こちらは威嚇の意味です。アインシュタインが舌を出した有名な写真は、報道陣へのユーモラスな反応として撮られたもので、世界で最も有名な「舌を出す」イメージの一つです。

使い方・例文

ビジネス

彼は上司の前では素直だが、陰では舌を出している。

日常会話

先生の前だけいい子ぶって、後で舌を出してるでしょ。

作文

社交辞令を言いながら心の中で舌を出している人は少なくない。

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クイズ

「舌を出す」の慣用的な意味は?

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