猫をかぶる

ねこをかぶる

本性を隠しておとなしく見せる。

🐱 動物

意味・由来

「猫をかぶる」(ねこをかぶる)

【意味】

「猫をかぶる」とは、本来の性格や意図を隠して、おとなしく従順なふりをすることを表す慣用句です。普段は活発だったり気が強かったりする人が、ある場面では借りてきた猫のようにおとなしく振る舞う状態を指します。多くの場合、やや否定的なニュアンスで使われ、「本性を隠している」「演技をしている」という含みがあります。

【由来・語源】

由来には諸説あります。一つは、知らない場所に連れてこられた猫が怯えておとなしくなる「借りてきた猫」の様子から来ているという説。もう一つは、猫の毛皮をかぶって正体を隠すという意味から来ているという説です。後者の場合、歌舞伎の「化け猫」の演出で猫の被り物を使ったことが関係しているとも言われます。いずれにしても、「猫のように見せかけている」つまり「本性とは違う姿を演じている」という意味が核心です。

【使い方のポイント】

主に否定的な文脈で使い、相手の偽りの態度を指摘するときに用います。「彼女は上司の前では猫をかぶっている」というように、特定の相手の前でだけ態度が変わる人を描写するときに自然です。自分について「猫をかぶっていました」と告白する使い方もあり、この場合は過去の振る舞いへの反省や、本性を明かす宣言のニュアンスになります。

【例文】

《ビジネスシーン》

面接では非常に協調性がありそうに見えた新入社員が、配属後は自己主張が激しく周囲を驚かせた。面接のときは猫をかぶっていたのだろうが、本来の性格が出たほうが長期的にはチームにとって良いかもしれない。

《日常会話》

彼氏の前ではおしとやかなのに、女子会になると急にテンションが上がるよね。完全に猫をかぶってるでしょ、と友達にからかわれた。

《作文》

日本社会では「猫をかぶる」ことが、ある種の処世術として機能している側面がある。場の空気を読み、自分を抑えて調和を保つ振る舞いは、見方によっては社会的スキルともいえる。問題は、それが常態化して本来の自分を見失うことだ。

【類似表現との違い】

「化けの皮が剥がれる」は隠していた本性が露わになることを表し、「猫をかぶる」の結末として使われることが多いです。「腹黒い」は内心に悪意があることを指し、「猫をかぶる」より否定的です。「猫をかぶる」は必ずしも悪意があるとは限らず、場に合わせた振る舞いの範疇であることもあります。「ぶりっ子」は可愛く見せようとする振る舞いに限定された現代語で、やや用途が狭いです。

【豆知識】

猫は環境が変わるとストレスから非常におとなしくなる動物です。動物病院に連れていくと借りてきた猫状態になる個体が多く、普段は暴れん坊でも診察台の上では固まってしまいます。これは猫の防衛本能で、未知の環境では目立たないようにする生存戦略です。「猫をかぶる」人間の心理も、実はこれと似ていて、慣れない場面では本来の自分を出さずに様子を見るという自然な反応といえるかもしれません。

使い方・例文

ビジネス

今回のプロジェクトは「猫をかぶる」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。

日常会話

「猫をかぶる」って昔の人はうまいこと言ったよね。

作文

「猫をかぶる」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。

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クイズ

「猫をかぶる」の意味として正しいものは?

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