目の敵にする

めのかたきにする

憎んでつらく当たる

👋 体

意味・由来

「目の敵にする」(めのかたきにする)

【意味】

「目の敵にする」とは、特定の人や物を憎み、何かにつけて攻撃したり排除しようとしたりすることを表す慣用句です。合理的な理由がないにもかかわらず、執拗に敵視し続けるニュアンスを含むことが多く、「なぜそこまで」と周囲が不思議に思うほどの強い敵意を示す場面で使われます。目に入るだけで怒りや不快感を覚えるほど嫌っている、見かけるたびに攻撃するといった、持続的な敵意を表す表現です。個人的な感情に基づく偏った敵視であることが多い点も特徴です。

【由来・語源】

「目の敵」は「目の前の敵」「目に映る敵」という意味で、視界に入るだけで敵と見なすほどの強い憎悪を表しています。「敵」(かたき)は古語では「仇」とも書き、恨みのある相手を指します。この表現の背景には、武士社会における「仇討ち」の文化があります。親の仇を討つことが子の義務とされた時代、仇は文字通り「目の敵」であり、見つけ次第討ち取るべき存在でした。この強い感情が転じて、現代では「とにかく嫌っている」「執拗に敵視する」という比喩的な意味で使われるようになりました。「かたき」という読みは古語の発音を残したものです。

【使い方のポイント】

「目の敵にする」は、不当または過度な敵視を批判的に描写する場面で多く使われます。「上司は彼を目の敵にしている」「あの評論家はこのジャンルを目の敵にしている」のように、第三者の行動を批判する文脈が典型的です。自分が主語になる場合(「私はあいつを目の敵にしている」)はあまり使わず、使うとしても自嘲的なニュアンスを帯びます。対象は人だけでなく、特定の文化、制度、食べ物など幅広く使えます。「目の敵にされる」と受身形で使うこともよくあり、理不尽に敵視されている側の立場を表現できます。

【類似表現との違い】

「蛇蝎のごとく嫌う」(だかつのごとくきらう)は極端な嫌悪を表し、「目の敵にする」よりも嫌悪の度合いが強い表現です。「敵視する」はフォーマルな表現で客観的なニュアンスがあり、「目の敵にする」のほうが感情的で執拗な印象を与えます。「毛嫌いする」は理由なく嫌うことで、攻撃性は含みません。「目の敵にする」は嫌うだけでなく積極的に攻撃・排除しようとする点が異なります。「目障り」は見ていて不快ということですが、敵意や攻撃性は含まない表現です。

【豆知識】

心理学では、特定の対象を不合理に敵視する心理は「投影」や「スケープゴーティング」として説明されることがあります。自分のストレスや不満を特定の対象にぶつけることで心理的な均衡を保とうとする防衛機制です。職場における「目の敵にする」行為は、現代ではパワーハラスメントとして問題視されており、特定の部下だけを執拗に批判・攻撃する行為は法的にも規制の対象となっています。また、英語の「have it in for someone」が近い意味を持ちますが、日本語の「目の敵」のような身体部位を使った比喩ではなく、表現の成り立ちは異なります。歴史的に有名な「目の敵」の例としては、忠臣蔵における吉良上野介と赤穂浪士の関係が挙げられます。

使い方・例文

ビジネス

新しい上司は、前任者のやり方を目の敵にして全て変えようとした。

日常会話

うちの猫は掃除機を目の敵にしていつも逃げ回る。

作文

彼は自分を批判した評論家を目の敵にし、反論の記事を次々と書いた。

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クイズ

「目の敵にする」とはどういう意味?

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