九死に一生を得る

きゅうしにいっしょうをえる

ほぼ助からない状態から生き残る。

🔢 数字

意味・由来

「九死に一生を得る」(きゅうしにいっしょうをえる)

【意味】

「九死に一生を得る」とは、十のうち九までが死に至るような絶体絶命の状況から、かろうじて一つの生存の道を見つけて助かることを意味する慣用表現です。ほとんど助かる見込みがない危機的な状況を、奇跡的に生き延びたことを表します。死に瀕するほどの危険を体験し、それでもなお命をつなぎとめた、という強烈な体験を語るときに使われます。

【由来・語源】

中国の古典『楚辞』離騒篇の「亦余心之所善兮、雖九死其猶未悔(また余が心の善しとする所、九たび死すとも其れ猶お悔いず)」に「九死」という表現が見られます。屈原が自らの信念のためなら九回死んでも後悔しないと述べた箇所です。「九」は中国語で最大の一桁の数であり、「極めて多い」「ほとんどすべて」を意味する象徴的な数字です。したがって「九死に一生」は「ほぼ確実に死ぬ状況で、わずかに残された生の可能性を掴んだ」という意味になります。

【使い方のポイント】

実際に命の危険があった場面が基本的な使用場面です。事故、災害、重病、戦争体験などを語るときに使います。比喩的に使う場合も、倒産寸前の会社が奇跡の復活を遂げたような、本当に絶望的だった状況にのみ使うのが自然です。軽い失敗からの回復に使うと大げさに聞こえます。

【例文】

《ビジネスシーン》

資金繰りが行き詰まり廃業寸前だったが、土壇場で大口の受注が決まり、九死に一生を得た。あの一件がなければ、今の会社は存在していない。

《日常会話》

山で遭難してしまい、二日間救助を待ち続けた。ヘリコプターに発見されたときは本当に九死に一生を得たと思った。

《作文》

九死に一生を得る経験は、人の価値観を根本から変えることがある。命の危機に直面した人は、それまで当たり前だと思っていた日常の一つ一つに感謝するようになるという。極限状態を経験することで初めて見えてくる世界があるのだ。

【類似表現との違い】

「危機一髪」は一本の髪の毛の差で危機を免れたという意味で、危険が迫ったが間一髪で避けたことを表します。「九死に一生を得る」はすでに危機の中に身を置いた後の生還を表す点で、より深刻です。「薄氷を踏む」は非常に危ない状態を慎重に進むことを表しますが、まだ結果が出ていない進行中の状況に使います。「命からがら」は命がやっとの思いで、という意味で「九死に一生を得る」とほぼ同義ですが、より口語的な表現です。

【豆知識】

「九死に一生」の「九」と「一」で合計十になることから、十のうち九が死で一が生、つまり生存率10%という計算になります。統計的に見ると、これは非常に低い確率ですが、ゼロではありません。医学の世界では、癌のステージ4の五年生存率が種類によっては10%前後であり、まさに「九死に一生」の確率と言えます。しかし、実際にその10%に入った人は数多くおり、「確率が低い」ことと「不可能」であることは全く異なるという重要な教訓を、この表現は含んでいます。

使い方・例文

ビジネス

今回のプロジェクトは「九死に一生を得る」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。

日常会話

「九死に一生を得る」って昔の人はうまいこと言ったよね。

作文

「九死に一生を得る」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。

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クイズ

「九死に一生を得る」の意味として正しいものは?

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