意味・由来
「虎視眈々」(こしたんたん)
【意味】
「虎視眈々」とは、獲物を狙う虎のように、鋭い目つきでじっと機会をうかがっている様子を表す四字熟語です。チャンスが来るのを辛抱強く待ちながら、いつでも行動できる態勢を整えている状態を描いています。
【由来・語源】
出典は中国最古の経典の一つ『易経』(えききょう)です。「虎視眈々、其の欲逐逐たり」(虎が獲物を鋭く見据えて、その欲望は尽きることがない)という一節が原典です。虎が茂みに身を潜め、獲物の隙を見計らって一気に襲いかかる姿が、この表現の原型です。日本語には古くから入っており、政治・軍事の文脈で特によく使われてきました。
【使い方のポイント】
機会をうかがう行為全般に使えますが、やや緊張感のある場面に適しています。「優勝を虎視眈々と狙っている」「市場参入の機会を虎視眈々とうかがっている」のように、重要な目標に対する真剣な態度を表す場合が多いです。「虎視眈々」にはどちらかといえば野心的・攻撃的なニュアンスがあるため、穏やかな場面にはそぐいません。
【例文】
《ビジネスシーン》
大手企業の撤退により空白ができた市場に、中小企業数社が虎視眈々と参入の機会をうかがっている。一番乗りで市場を押さえた企業が、次の業界リーダーになるだろう。
《日常会話》
うちの犬はテーブルの下で虎視眈々と食べ物が落ちてくるのを待っている。その集中力を他のことにも使ってほしいものだ。
《作文》
将棋において、名人は盤面を見つめながら虎視眈々と相手の隙を探っている。何十手も先を読みながら、最善のタイミングで攻撃を仕掛ける。その「待つ力」こそが、名人と凡人を分ける決定的な差なのかもしれない。
【類似表現との違い】
「手ぐすね引く」は準備万端で待ち構えることで、攻撃の準備ができている状態を表します。「虎視眈々」は準備よりも「機会をうかがう」観察の段階に焦点があります。「満を持す」は十分に準備して待つことで、「虎視眈々」より肯定的なニュアンスが強いです。「獲物を狙う」は直接的な同義表現ですが、四字熟語の持つ格調はありません。
【豆知識】
実際の虎の狩りは、待ち伏せ型のスタイルが基本です。虎は長距離を走る持久力はあまりなく、茂みに隠れて獲物が十分に近づくのを辛抱強く待ちます。成功率は10〜20%程度とされ、10回狩りを試みて成功するのは1〜2回です。つまり「虎視眈々」の末に実際に獲物を仕留められるのは、かなりの確率の壁を越えた場合に限られるのです。この低い成功率を補うために、虎は一撃で仕留める爆発的な攻撃力を進化させました。
使い方・例文
今回のプロジェクトは「虎視眈々」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。
「虎視眈々」って昔の人はうまいこと言ったよね。
「虎視眈々」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。
クイズ
「虎視眈々」の意味として正しいものは?