烏の行水

からすのぎょうずい

入浴時間が非常に短いこと。

🐱 動物

意味・由来

「烏の行水」(からすのぎょうずい)

【意味】

「烏の行水」とは、入浴時間が非常に短いことのたとえです。風呂に入ってもすぐに出てくる人を指して使います。カラスが水浴びをする様子が非常にあっさりとしていることから、短時間で済ませる入浴を指すようになりました。

【由来・語源】

カラスは水浴び(行水)をしますが、その時間は非常に短く、水に入ったかと思うとすぐに飛び立ってしまいます。一方、人間の入浴は江戸時代の銭湯文化に見られるように、コミュニケーションの場でもあり、長時間かけて楽しむものでした。このカラスの素早い水浴びと人間のゆったりとした入浴を対比して、短い入浴を「烏の行水」と呼ぶようになったのです。「行水」は本来、桶やたらいで体を洗うことを指し、湯船に浸かることとは区別されていました。

【使い方のポイント】

風呂が短い人に対して軽く指摘するときに使う、比較的カジュアルな表現です。「あなたはいつも烏の行水ね」というように、家族や親しい間柄で冗談まじりに使うことが多いです。深刻な批判ではなく、軽いからかいのニュアンスです。対義的な表現として「長風呂」があり、「烏の行水の人」vs「長風呂の人」という対比でよく使われます。

【例文】

《ビジネスシーン》

出張先の温泉旅館で同僚と大浴場に行ったが、彼は5分で上がってきた。烏の行水だなと笑ったら、「効率重視ですから」と返された。

《日常会話》

うちの旦那は烏の行水で、シャンプーしてるのかも怪しいくらい早い。子どもたちのほうがよっぽどちゃんと洗ってるよ。

《作文》

銭湯文化が栄えた江戸時代、入浴は単なる衛生行為ではなく社交の場でもあった。そんな時代に「烏の行水」と評されることは、付き合いの悪さを暗に指摘されることでもあったかもしれない。

【類似表現との違い】

直接的な類似表現は少ないですが、「猫の額」(ID:27)が「狭い」を表すように、「烏の行水」は「短い」を表す動物のたとえです。反対の概念を表す慣用句としては「長湯」があります。英語には直接対応する表現がなく、a quick bath や a short shower と訳されますが、カラスの水浴びという詩的なイメージは失われます。

【豆知識】

カラスが水浴びをするのは、体についた寄生虫や汚れを落とすための重要な行動です。短時間に見えますが、実は効率的に体を清潔に保つ合理的な方法であり、「いい加減に洗っている」わけではありません。また、カラスは鳥類の中でも特に知能が高く、道具を使ったり、信号の変わるタイミングを利用してクルミを車に割らせたりする行動が観察されています。「行水が短い=いい加減」というイメージは、カラスにとっては少々不名誉な誤解かもしれません。

使い方・例文

ビジネス

今回のプロジェクトは「烏の行水」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。

日常会話

「烏の行水」って昔の人はうまいこと言ったよね。

作文

「烏の行水」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。

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クイズ

「烏の行水」の意味として正しいものは?

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