意味・由来
「鼻を明かす」(はなをあかす)
【意味】
「鼻を明かす」とは、相手の意表を突いて驚かせること、特に自分を見くびっていた相手を見返すことを表す慣用句です。予想外の成果を上げたり、不可能と思われたことを成し遂げたりして、相手をあっと言わせる場面で使われます。「あかす」は「開かす」で、相手の鼻をぽかんと開けさせる=驚愕させるという意味です。痛快さや達成感を伴うポジティブなニュアンスが強い表現です。
【由来・語源】
「鼻を明かす」の「明かす」は「開かす」、つまり開けさせるという意味です。人は非常に驚いた時、口だけでなく鼻の穴も大きく開く表情をします。この驚きの表情を相手にさせること=相手を驚かせることが「鼻を明かす」の原義です。もう一つの解釈として、「あかす」を「あかす=恥じ入らせる」と捉え、相手のプライドの象徴である鼻を「あからめる=赤面させる」という説もあります。いずれにしても、相手に予想外の衝撃を与えるという意味で使われてきました。
【使い方のポイント】
「鼻を明かす」は「誰かの鼻を明かす」「鼻を明かしてやる」という形で使います。「ライバルの鼻を明かす」「世間の鼻を明かす」のように、見返す対象を明示するのが一般的です。「鼻を明かしてやりたい」という願望の形でも使われ、この場合は現在の悔しさと将来の雪辱への意志を同時に表現します。注意点として、この表現は基本的に「下から上への逆転」を含意しています。すでに優位にいる者が相手を驚かせる場合にはあまり使いません。弱者が強者を、無名の者が有名な者を驚かせるという構図が本来の使い方です。
【類似表現との違い】
「一矢報いる」は劣勢の中でかろうじて反撃する意味で、「鼻を明かす」ほどの痛快な逆転のニュアンスはありません。「見返す」は過去に馬鹿にされた相手に対して実力を示す行為で、「鼻を明かす」とかなり近い意味ですが、こちらはより一般的な表現です。「度肝を抜く」は相手を非常に驚かせることで意味は近いですが、見下していた相手を見返すという文脈は含みません。純粋な驚きの大きさに焦点があります。
【豆知識】
「鼻を明かす」の物語構造は、日本の伝統的な物語パターンの一つです。桃太郎が鬼を退治する話も、浦島太郎が竜宮城で驚かれる話も、広い意味で「鼻を明かす」構図を含んでいます。現代のスポーツでも、下馬評を覆す大番狂わせを「鼻を明かした」と表現することがあります。2019年のラグビーワールドカップで日本代表がアイルランドに勝利した試合は、まさに世界の鼻を明かした一戦として記憶されています。こうした逆転劇が人々の心を打つのは、不可能を可能にする人間の力への憧れが普遍的だからでしょう。
使い方・例文
ライバル会社の鼻を明かす画期的な新製品を発表した。
いつも一番のあいつの鼻を明かしてやりたい。
誰もが無理だと言った目標を達成し、彼は周囲の鼻を明かした。
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クイズ
「鼻を明かす」とはどういう意味?