絵に描いた餅

えにかいたもち

実際には役に立たない計画。

🍡 食べ物

意味・由来

「絵に描いた餅」(えにかいたもち)

【意味】

「絵に描いた餅」とは、どんなに立派に見えても、実際には何の役にも立たない計画や空想のことを表す慣用表現です。見た目は本物そっくりでも食べることができない「絵の中の餅」のように、実行不可能な計画や実現性のない構想を批判的に表現するときに使います。理想と現実の乖離、机上の空論、実行力の伴わない構想を端的に指摘する表現です。

【由来・語源】

中国の歴史書『三国志』魏書・盧毓伝が出典とされています。魏の明帝が人材登用の際に名声だけで選ぶことを戒め、「名を選ぶは画に餅を作るが如し、啖(くら)うべからず」(名声で人を選ぶのは絵に餅を描くようなもので、食べられない)と述べたとされます。これが日本に伝わり、「絵に描いた餅」として定着しました。日本では「餅」が祝い事や日常のご馳走として身近であったため、「食べられそうで食べられないもどかしさ」が実感を持って受け入れられました。

【使い方のポイント】

実現性の低い提案や、具体性に欠ける構想を批判するときに使います。「その計画は絵に描いた餅だ」のように、否定的な評価として使うのが一般的です。したがって、相手の提案に対して使うとかなり辛辣な批判になるため、使う場面には注意が必要です。「絵に描いた餅にしないために」のように、実現に向けた努力を促す建設的な使い方も可能です。

【例文】

《ビジネスシーン》

壮大な五カ年計画が発表されたが、具体的な数値目標も担当者もリソース配分も決まっていない。このままでは絵に描いた餅で終わってしまうだろう。

《日常会話》

ダイエット計画を細かく立てたんだけど、三日で挫折した。計画だけは完璧なのに、絵に描いた餅ってまさにこのことだよね。

《作文》

政府が掲げる政策目標が絵に描いた餅に終わらないためには、実行のための予算と人材の裏付けが不可欠である。どれほど理想的なビジョンも、それを現実にする具体的な手段がなければ、国民の信頼を得ることはできない。

【類似表現との違い】

「机上の空論」は理論上は正しくても現実には通用しない議論を指し、「絵に描いた餅」と近い意味ですが、「机上の空論」は論理的な議論に限定される傾向があります。「捕らぬ狸の皮算用」はまだ手に入れていないものを当てにした計算を指し、期待先行の甘さに焦点があります。「畳の上の水練」は実地経験なしに理論だけで練習することを意味し、「絵に描いた餅」よりも「実践不足」のニュアンスが強いです。

【豆知識】

「餅」は日本の食文化において特別な位置を占めています。正月の鏡餅や雑煮をはじめ、祝い事には欠かせない食材であり、「棚からぼた餅」「餅は餅屋」「花より団子」など、餅に関連することわざも多数あります。ちなみに、本物の餅は冷めると硬くなりますが、絵に描いた餅は永遠に美しいまま。「実物は劣化するが理想は色あせない」という皮肉な逆転もまた、このことわざの面白さと言えるかもしれません。

使い方・例文

ビジネス

今回のプロジェクトは「絵に描いた餅」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。

日常会話

「絵に描いた餅」って昔の人はうまいこと言ったよね。

作文

「絵に描いた餅」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。

クイズ

「絵に描いた餅」の意味として正しいものは?

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