意味・由来
「猪突猛進」(ちょとつもうしん)
【意味】
「猪突猛進」とは、後先を考えずに一つのことに向かって猛烈に突き進むことを表す四字熟語です。猪(イノシシ)が前方だけを見てまっすぐ突進する姿にたとえた表現で、向こう見ずな行動を批判的に描く場合もあれば、ひたむきな突進力を肯定的に評価する場合もあります。
【由来・語源】
イノシシは危険を感じると前方に向かってまっすぐ突進する習性があります。体重が100kgを超える個体もあり、その突進力は凄まじいものです。しかし、方向転換が苦手で、いったん走り出すと止まれないとされています。この直線的で猛烈な突進が、「周囲を見ずにひたすら突き進む人」のたとえになりました。「猪突」(猪のように突進する)と「猛進」(激しく進む)の二語を合わせた表現です。
【使い方のポイント】
文脈によって肯定にも否定にもなる表現です。「猪突猛進型で周りが見えていない」と言えば批判になりますが、「猪突猛進の突破力で道を切り開いた」と言えば称賛になります。就職面接で「自分の性格は猪突猛進です」と答える人がいますが、これは「一途で情熱的」と取る面接官もいれば、「計画性がない」と取る面接官もいるため、使い方に注意が必要です。
【例文】
《ビジネスシーン》
新規事業の立ち上げには猪突猛進の勢いが必要な局面がある。しかし、スピード重視で走り始めた後も、定期的に立ち止まって方向性を確認する冷静さを忘れてはならない。
《日常会話》
弟は猪突猛進な性格で、やると決めたら周りの意見を聞かずに突き進む。その行動力には感心するけど、たまには立ち止まって考えてほしい。
《作文》
日本の高度経済成長期は、国全体が「猪突猛進」で経済発展に邁進した時代だった。その結果、世界第二位の経済大国にまで上り詰めたが、同時に環境破壊や過労死という代償も払うことになった。猛進の先にある落とし穴を見据える目が必要だと、歴史は教えている。
【類似表現との違い】
「一直線」は目標に向かってまっすぐ進むことで、「猪突猛進」ほどの勢いや向こう見ずさはありません。「がむしゃら」は闇雲に頑張ることで、方向性よりも努力の激しさに焦点があります。「向こう見ず」は危険を顧みないことで否定的なニュアンスが強く、「猪突猛進」よりも否定の度合いが大きいです。「勇猛果敢」は勇敢に行動することで肯定的な表現であり、「猪突猛進」のようなネガティブな含みはありません。
【豆知識】
イノシシは実際には非常に賢い動物で、嗅覚は犬に匹敵するとも言われます。まっすぐしか走れないというのは誤解で、時速45kmで走りながら急な方向転換も可能です。また、泳ぎも得意で、海を渡って離島に移動した記録もあります。ことわざでは「考えなしに突進する」イメージですが、実際のイノシシは学習能力が高く、罠を見破ることも多いため、害獣駆除の現場では手を焼く存在です。なお、2019年の干支は亥(猪)で、年賀状に「猪突猛進」と書かれることが多い年でした。
使い方・例文
今回のプロジェクトは「猪突猛進」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。
「猪突猛進」って昔の人はうまいこと言ったよね。
「猪突猛進」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。
クイズ
「猪突猛進」の意味として正しいものは?